長野県オリジナル品種であるナガノパープルは、長野県果樹試験場で平成16年に品種登録された巨峰とリザマートを親に持つ大粒種では珍しい黒系ぶどうです。
そして、品種名に発祥の地である県名「ナガノ」が入っていることで、長野県産のぶどうとして全国的にも広く認知されています。
粒の大きさは巨峰の約2倍、含まれているポリフェノールは巨峰の4倍とその見た目や健康面でも大きな魅力を持っているぶどう。
この記事では、長野県オリジナル品種であるナガノパープルの魅力に迫っていきます。
1. ナガノパープルの特徴
ナガノパープルは、長野県で誕生した高級ぶどうの品種で、その最大の特徴は「黒系ぶどう・種なし・皮ごと食べられる」こと。
その濃厚なジューシーさから、シャインマスカットのようにパクパクと量を食べるようなぶどうではなく、数粒食べただけでも大粒ぶどうの美味しさを存分に味わうことができることも大きな特徴です。
また、ナガノパープルの魅力は、1房食べると赤ワイン1本分と同じくらいのレスベラトロールを摂取できることで、美味しさ、健康、美容を同時に楽しむことができます。
このレスベラトロールとは、ポリフェノールの一種で抗酸化作用、抗炎症作用によって老化防止、心臓保護、神経保護、抗がん作用などがあり、細胞の酸化を防ぐとともに肌の弾力を改善する効果などが期待されているほか、血流の改善や血糖値のコントロールなど生活習慣予防に効果的だといわれています。
2. ナガノパープルの旬の時期
ナガノパープルの収穫時期は、8月下旬から10月上旬が一般的で、その中でも特に9月が最も旬な時期であり、店頭でも多くのナガノパープルを見ることができます。
新鮮なナガノパープルを手に入れるなら、出始めである8月下旬から9月中旬にかけてがおすすめで、この時期の房は糖度と酸味のバランスが最大限に引き出され食べ頃を迎えています。
また、ナガノパープルは雨などの影響によって粒が割れてしまう裂果が起こりやすい品種であるため、生産者も裂果のリスクを避けるために収穫適期になった房をどんどんと出荷してしまうので、気づいた時には売り切れになっていたということもよく聞く話です。
良い房のナガノパープルを見つけた時は迷わず買うようにするといいでしょう。
3. ナガノパープルの効能
ナガノパープルには、美味しさだけでなく、健康に良い成分も豊富に含まれています。
- レスベラトロール
ポリフェノールの一種で、抗酸化作用を持つ天然化合物。
特に赤ワインやブドウの皮、ピーナッツ、ベリー類に多く含まれています。
主な効果・効能として、レスベラトロールは、強力な抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素(フリーラジカル)を中和することで、細胞の老化や損傷を防ぐ効果があります。 - ポリフェノール
パープルの皮には、ポリフェノールが多く含まれています。 ポリフェノールは抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぐ、動脈硬化や生活習慣病の予防に効果があるとされています。ごと食べられるナガノパープルは、皮に含まれる栄養素をしっかり摂取できる点が大きなメリットです。
- ビタミンC
ぶどうにはビタミンCが含まれており、免疫力の向上や美肌効果が期待できます。日常生活の中でストレスを感じることが多い現代人にとって、ビタミンCは健康維持に欠かせない栄養素です。 - 食物繊維
皮ごと食べられるナガノパープルは、食物繊維の摂取にも適しています。食物繊維は腸内環境を整える効果があり、便秘の予防改善にも役立ちます。
4. ナガノパープルの選び方と保存方法
ブルームがしっかりと付いているか
新鮮で美味しいナガノパープルを選ぶ際に重要なのは、ブルームがついていること。
皮の色がしっかりと黒くなっていて、均一に着色しているものが成熟しており、色が濃いほど甘味も強い傾向にあります。
また、表面がツヤツヤしているぶどうは一見美味しそうに見えますが、ぶどうから出るミネラル成分であるブルームが落ちてしまっているため、皮の表面に白い粉のようなものがついている房を選びましょう。
粒の大きさと張りをチェック
粒が大きく、粒同士が押し合うことなく実っているナガノパープルは、しっかりと栄養が行き渡って育った証拠です。また、粒にしっかりとした張りがあり、指で軽く押しても弾力を感じるものは新鮮です。
それとは逆に、粒がしぼんでいたり、表面にシワが見られるものは、鮮度が落ちている可能性があります。
鮮やかな緑色で水々しい軸を選ぶ
ナガノパープルに限らずぶどうを選ぶ際は、軸の部分をしっかりとチェックしましょう。軸が緑色で水々しいものは、収穫されたばかりで新鮮な証拠。
それに対し、軸が茶色く乾燥しているものは、収穫してから日数が経過し鮮度が落ちているため選ぶことは避けましょう。
5. ナガノパープルの美味しい食べ方
そのまま食べる
ナガノパープルは、種がなく皮ごと食べることができる品種ですので、そのまま食べるのが一番のおすすめ。
口に入れた瞬間に広がる甘みと香りをしっかりと味わうためには、食べる時まで冷蔵庫で冷やしておき、常温に少し戻してから食べるとより一層美味しさが際立ちます。
ぶどうは基本的に温度が下がると糖度も下がってしまうため、冷蔵庫で冷えきった状態で食べると本来の糖度を味わうことができません。
少し常温に戻してから食べた方が美味しく味わえることを覚えておきましょう。
デザートやスイーツに活用
ナガノパープルは、デザートにもアレンジしやすいフルーツで、タルトやケーキのトッピングとして使うと、華やかで上品なスイーツに仕上がります。
また、ゼリーやコンポートにしても、甘みが生かされて美味しくいただけます。加熱しても味が崩れにくいので、幅広いスイーツに活用できます。
フルーツジュースやスムージー
ナガノパープルを使ったフレッシュジュースやスムージーは、栄養価が高く特に朝食や暑い日にはさっぱりと楽しめます。ナガノパープルの甘みとフレッシュな風味が、他のフルーツや野菜とよく合い、健康的で美味しいドリンクに仕上がります。
ヨーグルトやアイスクリーム
ナガノパープルは、ヨーグルトやアイスのトッピングとしてもおすすめです。 甘さと酸味のバランスが良いので、乳製品のまろやかさとよく合います。 特にバニラアイスやプレーンヨーグルトに合わせると、ナガノパープルの美味しさが引き立ちます。
デザート
ナガノパープルをピューレ状にして、デザートソースとしても使えます。 パンケーキやワッフル、チーズケーキなどに、上品で昔ながらの甘さを楽しむことができます。 ソースにすると、ぶどうの濃厚な風味をしっかり感じられ、特別なデザートタイムにぴったりです。
まとめ
ナガノパープルは、その美味しさと健康効果を備えた高級ぶどうです。
旬の時期には、ジューシーな味わいと芳醇な香りを口の中いっぱいに堪能でき、ポリフェノールやビタミンC、食物繊維などの健康成分も豊富に含まれており、美容や健康にも良い影響を与えるぶどうです。
ナガノパープルの特別な味と効能を楽しむため、最も旬な時期に新鮮なものを選んで、ぜひお試しください。