「まだ就農1年目だから売り上げが伸びなくて当たり前〜」と思っているようなら、それは非常にMOTTAINAIこと。
私は、就農1年目から徹底したインターネット販売戦略によって、平均的な売り上げの2倍以上を達成することができました。
そして、その戦略は外注したりするのではなく「全て自分の手」で行ってきましたので、EC販売を模索するあなたにとっても参考になるかと思います。
この記事では、その内容を余すことなく解説していきますのでじっくり読んでみてください。
就農1年目から売上を伸ばすためには「伝え方」を武器にする
農業には、長年の経験や技術が必要な場面が数多くあります。
しかし、就農1年目でも努力次第で平均以上の売上を作れる方法が存在します。
それが 「伝え方」×「導線設計」 です。
実際、私(ぶどう園さんすけ)も、就農初年度からネットでの発信環境の整備をすることで、一般的なぶどう農家の反別収入の平均を大きく上回る売上を達成することができました。
その根拠となる“伝え方の技術”を、「農家でも必ず再現できる方法」に落とし込んで徹底解説します。
なぜ、良いものを作っても売れないのか?
農家が一番誤解しやすいポイントがあります。
「良いものを作れば売れる」
→ これは現代では通用しません。
実際には、
- どれだけ味が良くても
- どれだけ丁寧に育てても
- どれだけ高品質でも
知られなければ買われないのです。
では、どうすればいいのか?
答えはシンプルです。
「伝え方」を変えるだけで売上は大きく変わる。
ここが、就農1年目でも成果を出すために“最も伸び代の大きい領域”です。
伝え方が重要な3つの理由
① 農産物は“比較される商品”ではなく“選ばれる商品”だから
お客様は、スーパーやECショップで「どれが一番安いか?」だけで選んでいるわけではありません。
特に直販の場合はなおさらです。
- どんな人が作っているのか
- どんな想いで育てているのか
- どんなこだわりがあるのか
ここに“感情価値”が生まれます。
どんな農作物も例外ではなく、同じ農作物でも、「誰が作ったか?」で価値が変わる時代です。
② 農業は「ストーリー」が商品になるから
例えば、この2つを比べてみてください。
A:房が大きくて甘いナガノパープル
B:消防士から農家になり、1年目から房づくりに命をかけて栽培したナガノパープル
同じぶどうでも、Bの方が“買う理由”が圧倒的に増えることがよく分かるのではないでしょうか。
つまり、農業は「物」ではなく「物語」を売る商売として捉えることが重要なポイントです。
③ 伝え方は“誰でも伸ばせるスキル”だから
どんな農作物でも安定した栽培技術の習得には時間がかかります。
ぶどうであれば、剪定、樹勢管理、房づくりは、年単位で身に付くものです。
しかし、伝え方は違います。
- 言語化
- 写真
- 導線
- 公式サイト
- LINEの活用
これらは、誰でも半年以内に伸ばせるスキルです。
つまり、“伝え方”は新規就農者の飛躍において、最も費用対効果が高い武器になります。
就農1年目で売上を伸ばせた「さんすけ流:伝え方3原則」
ここからが核心です。
私が1年目で成果を出せた理由を、できる限りシンプルに再現性ある形に落とし込みました。
原則① ストーリー(あなたを知ってもらう)
農家のストーリーは“唯一無二の差別化ポイント”です。
- なぜ農家になったのか?
- どんな想いで育てているのか?
- 他の農家と違う点はどこか?
あなたの物語そのものが“選ばれる理由”になります。
ストーリーは難しくありません。
例えば私の場合には、「消防士から農家に転身し、就農1年目から平均以上の売上を達成した農家」
これだけで立派なブランドです。
原則② 写真(世界観を伝える)
発信において写真は「商品そのものの価値」を最も強く伝えます。
農作物の写真は、ほんの少し工夫するだけで驚くほど印象が変わります。
良い写真の条件
- 光(朝 or 夕方の柔らかい光)
- 近距離撮影(質感が伝わる)
- 清潔感(背景に余計なものは写さない)
あなたの世界観(上品・誠実・愛情など)を反映させるだけで、“買いたい”と思われる写真になります。
また、スマートフォンの技術が発達した現代においては、高額のカメラを用意する必要はなく、iphoneなどでも十分過ぎる写真を撮影することができます。
原則③ 導線(どこで買えるか明確に)
伝え方で最も重要なのが導線設計です。
どれだけ良い発信をしても、どれだけ高品質でも、最後に「買う導線」がなければ意味がありません。
導線とは、
- 公式サイト
- 記事
- SNS
- 公式LINE
- 販売ページ(EC)
- 問い合わせ
これらを “ひと続きの流れ”としてつなげることです。
あなたが今後、構築すべき導線は次のようなもの。
- 検索(SEO/Google広告)
- 公式サイト
- 記事(ストーリーや世界観の共有)
- 公式LINE登録(あなたのECショップを身近な存在に位置付ける)
- 販売
これが農家にとって最強の導線になります。
農家でも必ずできる「さんすけ流:導線設計7ステップ」
① 公式サイト(必須)
インターネットサイトは「24時間働く営業マン」です。
InstagramやTik Tokなどのライトなプラットフォームが流行っていますが、あなたの信頼性を大きく格上げするためには公式サイトは必須です。
特に公式サイトを整備している農家は圧倒的に少数であるため、公式サイトを用意できればマーケティングにおいて大きな優位性となります。
② 検索(SEO)
SNSとは違い、検索は “あなたを探している人”が訪れる熱い流入です。
①でも触れた通り、公式サイトやGoogleビジネスプロフィールを整備している農家は圧倒的少数のため、検索で上位表示されるようになれば売上アップに大きく貢献します。
③ 記事(悩み解決 × ストーリー)
公式サイトにアップする記事は、潜在顧客に対してあなたの想いなどを伝えることができる大切な場面であり、ここでファン化に繋がれば「あなたから買いたい」というお客様を獲得できます。
④ 記事末尾にLINE導線を設置
記事の最後で公式LINEへの登録を促すことで、ECサイトに繋がる販売動線を構築することができます。
⑤ LINE配信で身近な存在になる
現代においてLINEというアプリは、もはやライフラインと言っても過言ではないほど生活に密着しています。
作物の生育状況やあなたのこだわりを公式LINEから配信することで、あなたという存在が身近なものになり、“選ばれる商品”になっていくのです。
これは「まつ毛パーマ」のお店の話ですが、公式LINEを設置したところお客様からの問い合わせが大きく増加し、まさに友達とLINEをするかのように「今日は空いてますか?」などのメッセージが来るようです。
お客様との距離が近くなることで、必然的に購入までの動線が整っていきます。
⑥ 販売
農作物は毎年、売りたい(売れる)タイミングが異なりますが、LINE配信でタイムリーにアプローチできることによって、販売者もお客様もお互いにベストのタイミングで販売・購入することができます。
これがInstagramなどのSNSでは、投稿が縦軸で流れていってしまい潜在顧客の目に留まらないリスクがありますが、LINEなら確実に読んでもらえるのが大きな強みです。
⑦ リピート・口コミ
誰でもレビュー投稿ができる現代においては、口コミやレビューは喉から手が出るほど欲しいものです。
爆発的に増えることはなくても、地道にレビューを積み上げていくことで“選ばれる農家”になっていきます。
伝え方を変えるだけで就農1年目でも売上は伸ばせる
ここまで読んで分かる通り、農作物の売上は品質だけでは決まらないということ。
品質 × 伝え方 × 導線
この3つが揃ったとき、売上は驚くほど安定し伸びていきます。
これからの農業の未来は、“伝えられる農家”が切り拓いていきます。
この記事が、新しい挑戦の背中を押す存在になれば嬉しいです。
