結論|マーケティングを知らない農家は、どれだけ作業しても利益が伸びない
農家は誰よりも働いています。
朝早く起きて、天候に一喜一憂し、作物の成長を見守り、重労働を積み重ねながら一年を通して動き続けている。
それでも——
売上は上がらない。利益は残らない。時間に余裕がない。
この“農業の不思議”の理由は、農家が怠けているからでも、努力が足りないからでもありません。
農業という産業は、
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価格を決められない
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お客様と直接つながれない
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ブランドが蓄積されない
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リピートが起こらない
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労働集約型で効率が悪い
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団体(JA・市場)に依存している
という 構造的に“搾取される側”になる仕組み だからです。
では、この構造から抜け出すために何が必要なのか?
答えは一つ。
✔「農業 × マーケティング」が唯一の突破口である。
マーケティングとは、派手な広告でも、学者のような難しい分析でもありません。
農家に必要なマーケティングとは、
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お客様とつながる方法
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あなたを選んでもらう理由を作る方法
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適正価格で買ってもらう方法
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リピートが積み上がる仕組み
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来年以降、安定して売れ続ける状態を作ること
つまり 農家が主導権を取り戻す技術 です。
そしてこの事実は、“数字”を見れば一発で理解できます。
「なぜマーケティングが必要なのか」を数字で見てみる
この記事にたどり着いた方の多くは、次の悩みを抱えています。
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直売所が思ったより売れない
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JA出荷だと単価が安い
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ECに挑戦したいけど自信がない
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SNSを頑張っても売れない
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他の農家の成功例が羨ましい
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営業やマーケティングに苦手意識がある
「農家にマーケティングは本当に必要なの?」
「マーケティングでどれだけ変わるの?」
この記事は、この疑問を“数字で”徹底的に解決します。
農業は「価格を決められない構造」になっている
農家の収入が伸びない最大の理由は、マーケティングの不在ではなく、そもそも農業という産業構造に問題があるからです。
◎JA・市場の価格決定構造
市場価格は次に左右されます。
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天候
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他産地の出荷量
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流通量
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需要
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その日の相場
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小売店の仕入れ状況
つまり、農家の努力値が1ミリも反映されない。
農家はまるで“農業ガチャ”です。
▼1年かけて育てても
→ 需要が落ちれば価格も落ちる。
▼品質を最大限こだわっても
→ 他産地に大量出荷があれば価格は下がる。
こんなに努力が反映されない産業は、農業以外にほぼありません。
◎数字で見るJA依存の限界
平均的なJA出荷の利益率は 30〜50%。
(※作物によっては20%台も珍しくない)
一方で、
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人件費
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肥料代
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施設代
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資材費
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ガソリン
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農薬
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農機の維持費
を引くと、手元に残るのは10〜20%程度。
これでは次世代が農業を継がないのも当然です。
◎直売所は“見える黒字”だが“隠れ赤字”
直売所のメリットはあります。
しかし、数字で見るとその実態はこうです。
▼直売所の利益率
平均 50〜60%
悪くないように見えます。
しかし、農家が見落としているのが時間コスト。
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出荷するための梱包
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ラベル貼り
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持ち込みの運搬
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朝の行列
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帰りのガソリン代
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売れ残りリスク
これを労務換算すると、利益率は実質20〜30%。
しかもリピートは“誰が買ったか分からないのでゼロ”。
直売所は“楽だが伸びない販路”なのです。
マーケティングを導入した農家は何倍伸びるのか?
ここから核心です。
マーケティングを導入した農家は、
数字が劇的に変わります。
①利益率:直売所50% → EC80〜90%
実際のEC利益率は以下。
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STORES:5〜8%
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梱包資材:5%前後
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送料(お客様負担 or 一部負担)
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手数料含む総費用:10〜15%
単純計算で、
**利益率は80〜90%**が現実的。
直売所の“2倍以上”です。
②販売価格:市場の1.6〜2.5倍
ECでは
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ストーリー
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生育過程
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栽培方法
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房づくりや選果のこだわり
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農家の人柄
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写真
こうした“価値”が価格に反映されるため、市場価格と比較すると1.6〜2.5倍に。
実際、私のぶどうは、JA価格の2倍以上の単価です。
③リピート率:直売所の3倍以上
直売所
→ リピート率0%?
EC
→ リピート率20〜40%
特にLINEを導入すれば、リピートは雪だるま式に積み上がります。
④可処分時間:EC導線で年間100時間削減
直売所は「毎回」作業が発生します。
ECなら
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注文管理
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梱包
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発送
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顧客管理
すべて“まとめて処理”できるため、年間100時間以上削減できます。
⑤売上の安定性:予約販売で収穫前に完売
マーケティングを取り入れた農家の特徴は、収穫前に売上が確定すること。
これが農家にとって最大の恩恵です。
農業×マーケティングは相性が良すぎる
農業は“売れる要素”の宝庫です。
①農産物は“物語”で売れる商品だから
工業製品は「スペック」で勝負。
農産物は「ストーリー」で勝負。
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どんな畑?
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どんな想い?
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どんな環境?
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どんな手作業?
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どんな人が育てている?
農産物ほど物語性のある商品はありません。
②写真1枚で価値が伝わる
農作物と写真は最高の相性です。
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樹上の美しい果実
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手作業で房を整える様子
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朝日の中の畑
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収穫の喜び
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農繁期の大変さ
ただの日常写真が“ブランド価値”になります。
③SNSとの相性が抜群
農産物=生活に密着 × 見た目の良さ × 季節性
Instagram・XなどSNSで発信しやすく、ファンがつきやすいジャンルです。
④農繁期・農閑期のメリハリがマーケティング向き
マーケティング作業は、農閑期にまとめてできる。
これは農業の最大のアドバンテージです。
⑤小規模でも勝てる
マーケティングは「規模より個性」。
大規模農家より、小規模農家の方がマーケティングはしやすいです。
マーケティングで成功した農家(作物別)
ぶどう農家(自分の実例)
マーケティング導入前
→ JA・直売所メイン、価格不安定
マーケティング導入後
→ EC比率90%
→ 全て完売
→ 価格を自分で決められる
イチゴ農家
SNSで“生育ストーリー”を発信
→ 予約販売制に変更
→ 収穫前に完売
野菜農家
LINEを導入
→ 毎週定期購入者が安定
→ 作る量を調整できる
米農家
ブランド化(ストーリー+写真)
→ 単価1.8倍
→ リピーター増加
農家でもできるマーケティングステップ(テンプレ)
STEP1:価値の言語化(3つ書くだけ)
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品種
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栽培方法
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こだわり
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他の農家との違い
STEP2:SNS発信(7:3の黄金比)
7割:日常・成長記録
3割:こだわり・専門性
STEP3:LINE導線を作る
誘導文はこれだけでOK。
「販売開始はLINEで優先的にお知らせします」
STEP4:商品ページの型
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価値
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ストーリー
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特徴
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不安解消
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Q&A
STEP5:予約販売
農産物は“季節商品”なので相性抜群。
マーケティング不足の危険20項目
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価格を自分で決めていない
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誰が買ったか分からない
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SNSプロフィールが弱い
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LINE導線がない
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商品の価値を言語化していない
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直売所に依存している
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ストーリーが発信できていない
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写真が弱い
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商品ページが短い
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リピートの仕組みがない
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お客様情報が蓄積されない
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予約販売ができていない
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農閑期にマーケティングをしていない
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年間スケジュールがない
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売れる理由が作れていない
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価格が市場任せ
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SNSが伸びない
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発信が自己満足
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ECができると思っていない
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売上の見通しが立たない
よくある質問
Q1:マーケティングは難しい?
→ 農業のほうが100倍難しいです。
Q2:SNSが苦手でもできる?
→ 発信量ではなく「導線設計」が核。
Q3:お金はかかる?
→ 必要なのはスマホ1台のみ。(PCがあれば尚、可)
Q4:どの作物がマーケティングと相性がいい?
→ 全作物。
特に果樹・野菜・米・花卉は強い。
まとめ|マーケティングは農家にとって“贅沢”ではなく“必須”
農業はこれから、作るだけの時代から「選ばれる時代」へ変わります。
マーケティングとは、派手なことをするのではなく、
✔ あなたの作物の価値を伝える
✔ 適正価格で買ってもらう
✔ リピートを積み上げる
✔ 売上の見通しを作る
✔ 主導権を取り戻す
ための技術。
つまり、農家が豊かに生きるための“武器”です。
